ドイツ語の都市名


シェークスピアの作品に『ヴェニスの商人(The Merchant of Venice)』というのがありますが、このヴェニスというのはイタリアのヴェネツィア(Venezia)の英語名です。したがって、ヴェネツィアとヴェニスは別の都市だと考えてしまうと間違いです。

同様に、「Ich fliege nach Turin」といわれて、トゥリンという都市に飛行機で行くんだなと思ってしまうと、間違いです。実は、このトゥリンというのはイタリアのトリノ(Torino)のことです。

このように、ヨーロッパの多くの都市は、言語ごとに別の呼称を持っていることが少なくありません。都市だけではなく、川の名前などもそうで、例えばドイツ語でドナウ(Donau)と呼ばれる川は、フランス語でダニューブ(Danube)、チェコ語でドゥナイ(Dunaj)、ハンガリー語でドゥナ(Duna)と呼ばれます。

「何と面倒なことを!」と感じるかもしれませんが、実は日本人も同じようなことをしています。「成都」と書いて中国語式に「チョンドゥー」と読む人はあまり見かけませんし、「長江」と書いて「チャンチャン」と読む人もあまりいないと思います。日本語式に「せいと」「ちょうこう」と読むのが一般的だと思います。これと同じ現象が、ヨーロッパでも起こっているわけです。

ドイツ語名をもっている都市というのは、かつてプロイセンやオーストリアに属していた中欧の都市や、神聖ローマ帝国に属していた都市などが中心ですので、基本的に中欧に集中しています。しかし、その他にもあります。

実用面から、これらの都市名を覚える必要があるのかというと、実は大ありです。なぜなら、ドイツ人はドイツ語の都市名しか知らない場合が少なくないので、ドイツ語の都市名を読んだり聴いたりして理解できないと困りますし(とくに旅行する人はそうです)、話したり書いたりする場合にも、もちろんドイツ語の都市名を用いなければなりません。

これは、例えば、日本語で「チャンチャンを溯ってチョンドゥーに行ってきた」といっても、それを理解してくれる人が少ないことと同じことです。

ですから、しっかりした相手に分かってもらえるドイツ語を身につけるには、これらの都市名をきっちりと覚えなければなりません。その際、下記のリストが役に立つでしょう。綴り方が同じで読み方が異なるものもあります。

チェコ

左がドイツ語名、右がチェコ語名です。

ポーランド

左がドイツ語名、右がポーランド語名です。

ハンガリー

左がドイツ語名、右がハンガリー語名です。

スロヴァキア

左がドイツ語名、右がスロヴァキア語名です。

スロヴェニア

左がドイツ語名、右がスロヴェニア語名です。

イタリア

左がドイツ語名、右がイタリア語名です。

フランス

左がドイツ語名、右がフランス語名です。

ベルギー

左がドイツ語名、右がオランダ語名ないしフランス語名です。

スイス

左がドイツ語名、右がフランス語名です。

ロシア

左がドイツ語名、右がロシア語名です。


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